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連日、福島原発の事故の解説で放射能、放射性物質などに関心を持っている人も増えたと思いますが、これまで身近でなかった単位や専門用語も多いので良く分からない人も多いのではないかと余計なおせっかいを焼いて、極めて理系チックに放射能や放射線の基礎知識を書いてみます。

テレビで解説している人や、東電や原子力委員会の人は、下記の内容は誰でも知っていると思って話しているんだと思う。余計、分からなくなったら許してね。

放射能とは、原子核が壊変(壊れること。崩壊とも言います)するときに放射線を出す能力のことで、放射能がある物質(核種)の事を放射性物質と呼びます。何故、壊変するかというと放射性物質の原子核は、陽子に比べて中性子の数が多く不安定な状態になっているため、放射線を出してより安定した核種に変化したがるからです。

また、非常に重い核種の場合、原子核が分裂してより軽く安定した核種に分かれる事があり、これを核分裂反応と言います。核分裂反応の場合、大きなエネルギーを発生します。原子力発電ではウラン235の核分裂エネルギーを利用して水を沸騰させ、高温・高圧の水蒸気でタービンを回して発電器を動かして電気を作ります。

放射線には種類があり、α線、β線、γ線、エックス線、中性子線などがあります。どの放射線が出るかは、壊変の仕方によって異なります。

α(アルファ)線は、ヘリウムの原子核です。プラスの荷電を持ちます。物質透過能力は小さく、紙一枚で遮蔽できます。

β(ベータ)線は、電子の流れです。マイナスの荷電を持ちます。透過力は、あまり強くなくプラスティックの定規や数ミリのアルミニウムで遮蔽できます。

γ(ガンマ)線やX線は、電磁波です。透過力は強く、コンクリートで50㎝、鉛だと10㎝で遮蔽できます。

中性子線は、中性子の流れです。透過力は、最も強く殆どの物質を通り抜けます。防ぐには、水やコンクリートの厚い壁(具体的な厚さは、含まれる水素原子の量による)が必要です。

放射能とは、放射線を出す能力のことで放射能の大きさは、Bq(ベクレル)を単位としています。物理学的に言うと、N個の原子が時間とともに壊変して原子数が減って行き、減るたびに放射線を出します。この原子数の減少の早さが放射能の大きさを表します。

つまり、放射能の大きさは、原子数Nを時刻tで微分したものになります。また、放射能の大きさは、原子数に比例する事が分かっています。この比例定数(壊変定数=λと言います)は核種毎に異なっていますが、下記の微分方程式が成立します。

dN/dt=-λN

左辺は、原子数Nを時間tで微分しています。右辺は、原子数Nに壊変定数を掛けたものです。なぜ、マイナスかというと時間とともに減って行くのでマイナスになります。

この微分方程式を解きます。

両辺にdtを掛けてNで割ったもの(1/NdN = -λdt)の両辺を積分します。

ln(N)=-λt+C

左辺のln(N)は、eを底とするNの対数です。10を底とする常用対数は、logXと書きますが、これはeを底とする自然対数なので区別するためにln(X)という表記をしています。Cは、積分定数です。

これをNについて開くと、N=e^(-λt+C)となります。ベキ数を打てない(どうやって打つのか知らない)ので^を使いますが、eの(-λt+C)乗のことです。これは、更に変形して

N=e^(C)×e^(-λt)

ここで、t=0の時、すなわち壊変が始まる瞬間のときの原子数(もともとあった原子数)をPとすると、

P=e^(C)となります。

すなわち、N=P×e^(-λt)となります。

ここで、半減期をTとするとt=Tの時にP=1/2Pとなりますから、

1/2×P=P×e^(-λT) となり、両辺をPで割って整理すると

e^(-λT)=1/2 → e^(λT)= 2 となり、eを底としたλTの対数は2ということですから、

λT=ln(2)≒0.69315

これらから、ある核種の放射能の大きさ(Bq)は、λN=N×0.69315/T で計算できることになります。なお、原子数Nの単位は「個」で半減期Tの単位は「秒」で計算します。重量Gグラムの原子数は、アボガドロ定数にGを掛けて原子量で割れば出ます。

高校生の頃は微分積分が人生で何の役に立つのかと思いましたが、こんなことに役立つとは思いもしませんでした。

例えば、このあいだホウレンソウ1kgからヨウ素131が15020Bq検出されました。これが、何グラムなのか計算してみます。ホウ素131の半減期は8.02070日、原子量は126.90447です。

15020=N×0.69315/(8.02070×24×60×60)= N×0.1×10^-5

N=1.502×10^10個(約15億個)

ホウレンソウ1㎏には、ヨウ素131が1.502×10^10個あったということです。次に、それが何グラムなのか計算します。

1.502×10^10=G×6.02214179×10^23(アボガドロ定数)/126.90447(原子量)

G=1.502×10^10÷4.745×10^21≒0.32×10^-11グラム

つまり、「0.0000000000032グラム」です。

日常生活上では、「0グラム」に等しい量のヨウ素131でホウレンソウが出荷停止になり、多くの農家の方々が苦境に陥り、ついには自殺者まで出てしまいました。そう考えると放射性物質は、少量でも危険なものだと思います。

しかし、放射能の値が大きくても量として見た場合は、極めて少ない量ですから空気中や海水中に拡散した場合、あっという間に飛散して薄まります。

計算はしていませんが、第一原発から放水された水から基準値の何千倍という放射能が検出されたと報道され、魚介類への影響を心配している人が多いと思いますが、日常生活上は「0グラム」に等しい量の放射性物質が海に流されても、原発の直ぐ近くの海岸の貝への影響はあるかもしれませんが、動いている太平洋の魚には何の影響もないでしょう。

前述したように放射性物質は、危険で怖いものです。でも、どのように怖いのかを知って怖がるのと、何も分からず闇雲に怖がるのは違うと思います。

放射性物質について正しい知識を身につけて、正しく怖がることが大事なのではないかと思います。

※計算は多分あっていると思うのですが、桁が余りにも小さすぎるので小数点以下の桁数が間違っているかも知れません。間違っていても許してね。
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