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週刊朝日が「お詫び」を掲載して連載も中止してしまったから今さら感は強いけど、橋下大阪市長vs朝日グループの一連の問題について考えてみました。

結論から言うと、週刊朝日の連載は「同和地区」出身者に対する差別を助長する可能性があり不適当ではあるものの、「お詫び」掲載をした同誌に対して矛を収める事なく「バカ」などと低俗な言葉で罵倒を続ける橋本市長の態度は、かえって彼の評価を貶める愚行だと思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121022-00000303-sph-soci

日本は「勝ち過ぎる」者に対して非寛容な社会です。今回、週刊朝日が早々に「謝罪」し同誌で「お詫び」を掲載した事で橋本市長は完勝したのですから、ここで矛を収めれば「大人」として評価は上がったと考えます。

それを負けた相手が謝っているのに口汚く罵り、徹底的に追い詰めることは「情けを知らない男」と反感を招きます。ここに橋本市長の器の小ささを見ます。「義理人情」に欠ける指導者は独裁者へと転じることは歴史が証明しています。

今回の騒動の発端は、皆さんご存じの通り我が国を代表する報道機関である朝日新聞の100%子会社である朝日新聞出版が発行する「週刊朝日」(編集長・川畠大四)が、ノンフィクション作家の第一人者と言われる佐野眞一氏に橋本氏に関する執筆を依頼したことから始まりました。

佐野氏は孫正義についてのルポ「あんぽん」などにみられるように、取材対象のルーツ(血脈・血筋)を探ることで対象の本性を見極める、という手法をルポルタージュの基本としているようです。この点に関して僕は佐野氏の著作を読んだことがないので、本当かどうか分かりません。

しかし、今回の連載タイトルが、

「ハシシタ 救世主か衆愚の王か」
橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す

であり、本文中にも、

1)「彼の本性をあぶり出すため、ノンフィクション作家・佐野眞一氏と本誌は彼の血脈をたどる取材を始めた」

2)「はじめに断っておけば、私はこの連載で橋下の政治手法を検証するつもりはない。この連載で私が解明したいと思っているのは、橋下徹という人間そのものである」

3)「そのためには、橋下の両親や、橋下家のルーツについて、できるだけ詳しく調べ上げなければならない」

とあることからも確かなことだと思います。

そして、第一回では橋本市長の実父について書かれています。

a.橋下市長の実父である橋下之峯氏は同和地区出身(記事では具体名で書かれている)
b.全身に入れ墨をした山口組系組員(暴力団構成員)
c.覚醒剤中毒によりガス管を加え自殺(他説もあり)
d.墓地は同和地区住民のための市営墓地にある(記事では具体名)

これに対して橋本市長は、「言論の自由は尊重されるべきだが、一線を越えている」と批判し、週刊朝日だけでなく親会社の朝日新聞にも見解を求めたところ、週刊朝日の川畠編集長が早々に「謝罪」を表明し、23日発売の同誌で2Pに亘るお詫び記事を掲載して一応の決着を見た格好になっています。

この騒動に関して、

①公人のプライバシーと報道の自由の範囲
②親会社の責任の範囲
③連載中止の妥当性
④佐野氏の手法の妥当性
⑤橋本氏の質問拒否の妥当性

これらを検証したいと思います。

①公人のプライバシーと報道の自由の範囲

日本国憲法第13条は「プライバシーの権利」を認めたものであるとされています。公人であろうと日本国の国民ですから、プライバシーは個人の権利として認められるべきものです。

ただ、「公共の福祉に反しない限り」という但し書きがついています。公人の場合は国や地方自治体において重要な決定を行うので、一般人よりも「公共の福祉」に影響を及ぼしやすいと考えられます。

そのため、一般人よりも公人の方がよりプライバシーを開示する範囲が広がることは止むを得ないと考えられます。極端な話をすれば、本人や親族がテロリストグループに属している場合は、その事実を開示すべきです。

この観点から橋本市長の実父が「暴力団構成員」だった事実は開示すべきものだと考えられます。しかし、「同和地区」出身者であったことは、「公共の福祉」に反しない限り個人の権利として認められるべきことです。

佐野氏の連載第一回では、「同和地区出身者=社会不適合者」であるかのような印象を与えています。これは、同和地区に対する差別を助長するものだと考えられ、橋本市長の「一線を越えた」という主張には妥当性が認められます。

②親会社の責任の範囲

橋本市長は、株主責任を重視して親会社である朝日新聞にも責任があると考えているようです。しかし、報道機関の場合は「編集権」が絡むので一般企業と同列には考えられない部分があると僕は考えます。

親会社が「編集権」に口出しできるようだと「報道の自由」が保障されません。例え100%子会社であろうと、親会社とは異なった編集方針や論調が保障されるべきです。しかし、子会社が「公共の福祉」に反した行為を行った場合、親会社には責任があると考えられます。

この観点から記事内容に関する説明責任は一意的に「週刊朝日」にあり、朝日新聞にはないと考えられます。そして、週刊朝日の記事により「差別の助長」など行きすぎた行為があったと認められれば、親会社として社会的責任があると考えられます。

「経営」に関する責任と「編集」に関する責任を橋本氏は、同じものだと考えているところに誤謬があると考えます。

③連載中止の妥当性

連載中止の理由として挙げられているのが、「同和問題」の取り扱いが不適切だったというものです。これは、当然のことながら連載前に議論が尽くされているはずです。その上で連載に至ったのですから、今更何を言ってるのか、と呆れるばかりです。

この連載が何回を予定していたか分かりませんが、ノンフィクションライターの作品として見た場合、連載が終わって始めて一つの作品として評価されるべきだと考えます。「群盲象を評す」という例えがありますが、連載の一回だけで作品全体を評価するのは不適当です。

僕も報道の現場にいた人間なので一般の人の感覚とは異なるのかもしれませんが、週刊朝日は覚悟を持って連載に臨んだはずです。元サンデー毎日編集長の鳥越俊太郎氏もフジテレビの電話インタビューで同じことを語っていたように、報道関係の人間から見たら週刊朝日の連載中止決定は、報道人としての矜持に欠ける残念な行為だと思います。

取材対象から批判されて直ぐに止めるんだったら最初からやるな、というのが報道陣の感覚だと考えます。不適切な表現があったと認めるのであれば、それに対して「謝罪」したうえで、連載全体を読んだ上で記事の趣旨を評価して欲しい、と最後まで連載を続けるのが気骨あるマスコミ人の態度だと考えます。

④佐野氏の手法の妥当性

育った環境が人格形成に大きく影響する事はあります。この観点から対象の家族関係、地域の環境、教育環境、交友関係などを取材する事は重要です。しかし、今回の佐野氏が言う「ルーツ」を探るというのは本質を外していると思います。

タイトルの「ハシシタ」にも差別意識が垣間見えます。言うまでもなく橋本市長は「ハシモト」姓であって、「ハシシタ」姓ではありません。関西圏では「橋の下(シタ)」というのは被差別民を指す隠語として通用するそうです。

橋本市長の実父の姓は元々は「ハシシタ」であったそうです。しかし「橋の下(シタ)」のイメージの悪さや父方の家系から縁を切る目的もあり実母が「ハシモト」姓に読み方を改姓したと雑誌「g2 Vol.6」(2010年12月号)の「同和と橋本徹(大阪府知事)」というルポルタージュにあります(ルポはg2の無料WEB会員になるとサイトから読めます)。

つまり、橋本市長の出自が被差別地区であることをほのめかすためにタイトルをわざと「ハシシタ」としていることが明確です。そして、サブタイトルの「DNAをさかのぼり本性をあぶりだす」というのは、被差別地区出身者のDNAが橋本市長の本性に直結していることを伺わせます。

これは明らかに差別思想です。

確かに「トンビがタカを生む」事はありません。トンビのDNAからはトンビしか生まれません。しかし、このことから「犯罪者の子供は犯罪者」とすることはナンセンスです。

人間は生まれ育つ環境で変わります。「朱に交われば赤くなる」のも一面の真実だと思います。「暴力団因子」というものがあり組員になるとDNAに刻まれると仮にします。しかし、後天的に獲得した形質は遺伝しないとメンデルの法則で証明されています。

したがって、仮に橋本市長の実父が「暴力団因子」を獲得していたとしても、それは獲得形質ですから橋本市長に遺伝する事はありません。父親の出自がどうであれ、父親のDNAがどうであれ、そのことが橋本市長の本性に直結することなどあり得ないのですから、佐野氏の手法は明らかに誤っていると考えます。

ましてや、橋本市長が物心つく前から両親は離婚して母親と妹の三人で育っているのですから、実父の影響は全くないと言って良いでしょう。むしろ父親のいない家庭で育ったことの影響の方が大きいと思います。父親のルーツを探ったところで、橋本市長の本性に直結などする訳がありません。

⑤橋本氏の質問拒否の妥当性

これは、朝日新聞や週刊朝日が会見の場に来ることは構わないが、彼らからの質問には答えないとしたものです。

橋本氏は大阪市長という公職に就いている公人です。市政の長として報道機関の質問に応える義務があると考えられますから、質問拒否は公人の義務を放棄していると言っても良いと思います。

また、橋本市長は朝日新聞や週刊朝日の記者が別の社の記者にメモを渡して代わりに質問すれば答えると言っているので、単なる嫌がらせの域を出ていないように感じます。市政を預かる身として大人気ない態度だと思います。

今回の騒動は、週刊朝日が連載を中止したことは、橋本市長が親会社を巻き込んで問題を大きくすればメディア側が折れる、という前例を作ってしまったように思います。今後、マスコミが橋本市長についての報道を自主規制するようなことがないことを願っています。
コメント
この記事へのコメント
Re: タイトルなし
>>管理人にのみ読めるコメントを投稿された方へ

申し訳ないのですが、何を言いたいのかさっぱり分かりません。

ご批判は自由ですが匿名(名無しさん)でもあり、
管理人のみ読める投稿での書き込みなので、
私が読んだ時点で削除させて頂きます。
2012/10/24(水) 15:29 | URL | papaci #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012/11/16(金) 19:48 | | #[ 編集]
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