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乙武洋匡さんの銀座イタリアン・レストラン入店拒否騒動が話題になっています。正確には「入店拒否」ではなく「入店介助拒否」なのですが、乙武さんご本人が最初に「入店拒否」とツイートしたので、「車椅子の利用者を入店拒否するのは差別だ」とレストラン店主がネットなどで非難されました。

乙武さんの言い分は、彼のブログを読んで下さい(念のため魚拓

僕は今年から「福祉」について少し勉強しました。勉強して分かったことは、我が国は「福祉」について欧米社会から遅れているということです。それは、物理的なバリアフリーとか福祉制度などのハード面ではなく、社会それ自体に「福祉」の理念が根付いていないということです。

「福祉」の基本理念に「ノーマライゼーション」という考え方があります。英語で書くと「Normalization」なので、「ノーマリゼーション」と表記されることもあります。

教科書的に説明すると「基本的人権の根底には人間の尊重という理念があり、この人間の尊重を重視する視点から具体的に示された思想がノーマライゼーション」ということです。

簡単に言うと「障害を持った人も持たない人と同じように、ありのままの姿で同じように社会活動しているのが普通の社会」だという思想です。「普通の生活」と訳されることが多いです。

今回の乙武さんのケースに即して言えば、「車椅子を利用している人でも、そうでない人々が食事を楽しんでいるレストランで同じように食事をすることができる社会が普通のことなんです」ということです。

今回の乙武さんの経験は、ノーマライゼーションという福祉の基本的理念から言えば「ノーマル(普通)」ではないということになりますが、レストランの店主だけを批判するのは間違っています。

ノーマライゼーションの理念は、社会全体の有るべき姿を謳っておりレストラン店主個人に向けられるものではありません。つまり、乙武さんがこのレストランで食事できるように社会全体で援助しましょう、という理念なのです。

当日にレストランで食事していた人々、銀座の街でレストラン周辺で歩いていた人々が自発的に自然な行動として乙武さんを抱えてレストランまで連れて行く社会がノーマライゼーションが根付いた社会ということです。

福祉先進国と言われるデンマークなど北欧の国々では、こうしたことが当り前にように行われているそうです。

聞いた話ですが、デンマークで車椅子の老人が外出した時に下校中の小学生が老人の元に近付き「どこに行くのか」聞き、老人が向かう方向に数人の生徒が走って行って「車椅子が通りますから道を開けて下さい」と道行く人々に向かって告げた光景を見かけたそうです。

こういうことが日常的に行われているため福祉先進国では、今更「ノーマライゼーション」など口にしないそうです。それが、当たり前の社会になっているので啓蒙する必要がなくなっているのです。

日本にノーマライゼーションの思想が入って来たのは1981年だそうです。それから約30年経った今でもノーマライゼーションの思想が社会に浸透しているどころか、言葉すら知らない人のほうが多いのが我が国の福祉の現状だと思います。

僕自身、学ぶまで全く聞いたことも無い単語でしたから、偉そうなことは言えません。でも、「困っている人を見かけたら助けましょう」ということは、我が国でも昔から言われてきた事です。

そういう当り前のことが出来る社会になっていれば、例え事前に車椅子利用であることを告げなくても、乙武さんはお友達と楽しく食事ができたはずです。ネットでは乙武さんを批判する人も、レストラン側を批判する人もいます。

でも、真に悲しむべきことは「優しくない社会」が日本の現状であることだと、今回の騒動で感じました。
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