日本酒やグルメ、ダイエット等、興味のあることを色々ご紹介します。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 「異邦の騎士」と並ぶ島田荘司作品の代表作と聞いていたが、読む機会がなかった。先日、立ち寄った本屋に文春文庫があったので早速買った。
 面白かった。内容は、サスペンス・ミステリの体裁を取ってはいるが、これは青春小説だと思う。「異邦の騎士」と同じテイストだが、「異邦の騎士」よりは、ミステリ的興趣は少ない。私小説的に「青春」という「私」の時代を描いていて、胸が痛くなる。
 タイトルが良い。元々のタイトルは「夏、19歳の勲章」だったらしいが、それを「肖像」に変えた。このほうが、「青春」という言葉の持つリリシズムやロマンティシズムが匂うと思う。
 島田さんという作家は、心に傷を負った人間像を描くのが上手い。それも、余りにも一途で真っ直ぐで社会と溶け込めなくて周りから浮いてしまい、それでも自分の心に正直に生きようとして傷つき疲れ果てた人間が、唯一心を通いあえる異性と出会い癒され救われ、そしてその人の為に生きようとして最後にはその人を失う。
 それは絶対的な「喪失」でありながら、それを突き抜けて絶対的な「存在」を自分の中に見出すことでもある。「異邦の騎士」の「私」もそうだし、この「夏、19歳の肖像」の「僕」もそうだ。そして、こういう心の喪失と再生の物語は、「青春」時代が似合う。と言うよりも、それこそが「青春」なんだと僕は思う。そして、その季節は「夏」がふさわしい。
 「夏、19歳の肖像」、素敵なタイトルであり、タイトル通りの作品だった。改めて、初期の島田作品は文章的には稚拙だけど、パッションがほとばしっていると感じた。
コメント
この記事へのコメント
島田荘司さん!
私も大好きな作家です。
「夏、19歳の肖像」はまだ読んでいないので、文庫になっているのならば早速本屋へ走ります。
御手洗シリーズも屋敷シリーズもほとんど読んでいるのですが、どちらも読後は何と
なく切ない気分になります。
なかなか新刊が出ないのが悲しいですね。
2006/03/31(金) 10:57 | URL | りえぞう #-[ 編集]
島田作品
>りえぞうさん
 島田荘司&地酒ファンの方とは初めてお会い(?)しました。僕は、どちらかと言うと御手洗派なのですが、りえぞうさんはどちらでしょうか?
 好きな作品の上位は、一般的ですが「異邦の騎士」「占星術殺人事件」「数字錠」です。りえぞうさんの年代だと、「占星術~」は、金田一少年の方が先でしたか?
 ご一緒する機会があれば、酒と犬とミステリで盛り上がりましょう。
 ではでは・・・。
2006/03/31(金) 12:17 | URL | papaci #-[ 編集]
私も御手洗派です。
実は「占星術・・・」も御手洗が先なのです。
まだまだ浅い知識と、すぐ忘れる脳みそを鍛えないといけませんね!!!
2006/04/07(金) 10:34 | URL | りえぞう #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://finesses.blog39.fc2.com/tb.php/48-5ac13286
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。